内科(消化器科)後期研修プログラム
診療科の特徴
当科は消化器内科を主たる標榜科として、神戸市北区の地域医療に貢献してきました。
診療の主体は上部下部消化管、肝胆膵の消化器領域ですが、消化器分野に限らず、糖尿病、内分泌、呼吸器、血液、神経領域なども広くカバーしています。医療技術の高度化にともない、内科のなかでも各専門分野に細分化がすすみ、一部の大規模病院では専門以外の領域を診る機会が少なくなりつつあります。
当科では小回りの利く中規模病院の特性をいかし、消化器を中心とした専門的知識、技術の習得のみならず、一般内科医としての技量を磨くことを研修の目的に考えます。
在職中に経験するのは、ほとんどがfreshな症例ばかりですので、将来、地域医療への献身や開業を志向する先生がたには、多様な症例を経験する良い機会となるでしょう。また、他科から内科に転科を考えておられる先生方にも、いままでの専門知識、技術を生かしながら、内科的な診療技能を体得していただけるよう、カリキュラムの構成をご相談させていただきます。
昨今の厳しい医療情勢のなかで、限られた人員での診療を行っていますので、後期研修医の先生にも、主治医として主体的能動的に患者さんにかかわり、実診療のなかで問題を発見し、解決能力を高めてゆく気概を求めます。
多様な人材を求めています
当科は消化器のみならず、一般内科としての診療も求められています。
消化器を専門としたい先生方だけではなく、糖尿病、内分泌、免疫アレルギー科、血液内科、神経内科、腎臓内科を専門とする先生方も歓迎いたします。また、他科からの転科を希望される先生も歓迎します。
自分の専門をひとつに限定せず、幅広い知識と技量を身につけることで、初療から検査、診断、治療までをひとりの医師が担当することができます。
循環器科、腎臓内科、呼吸器科、放射線科、外科などとの連携を通じて、専門的な知識、技術を統合的に活用しつつ、主治医として、ひとりの患者さんをcare、cureしてゆくところに、臨床家として深い悦びを感じることができるでしょう。
消化器センター化
平成25年度より内科(消化器科)、腹部外科、放射線科の3科が合同し、消化器病センターとして改組開設いたしました。
目的は、診療科、部門の垣根を越えて連携し、ガイドラインに沿った最新かつ良質のチーム医療を提供すること、患者さんの視点を第一に、ホスピタリティ、アメニティの向上を図ること、そして、診療圏の病院医院とともに発展し、北神地域に充実の医療を構築することです。地域に必要な「あって助かる、まにあう医療」を目指しながら、さらに半歩さきの新しい医療にも取り組んで行きます。
地域医療の第一線にあって、自らの技量を磨きたいと考えている内視鏡専門医、消化器病専門医、肝臓専門医の先生方にも、ふさわしい活躍の場をご用意いたします。
日本消化器内視鏡学会指導施設認定
平成26年12月1日付けで、当院は日本消化器内視鏡学会指導施設に認定されました。
当院入職の際には、日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会への入会をおすすめします。
在職中には豊富な症例を経験し、各学会の認定医・専門医を取得することができます。
消化器分野診療実績
内視鏡や超音波については、月曜から金曜日まで、午前、午後ともに検査予定を組んでいます。
医師一人当たりの検査数が多く、診断、治療内視鏡ともに、十分な経験をつむことが可能です。
また、毎日検査枠を設定することで、初診で検査計画を立てたのち、自分で検査、診断し、必要に応じて治療にすすむという一貫した流れを円滑に進めることができます。
他科医師や、看護師、検査技師、放射線技師、薬剤師、栄養士、作業療法士、事務部などのコメディカルスタッフとも良好な協力体制を構築していますので、緊急時にも必要な検査、処置をフットワークよく、ストレスなく速やかに施行することができます。
また、診療分野は下記に限定されず、意欲と努力さえ惜しまなければ、どんどん新しい分野の診療にチャレンジすることも可能です。
<検査処置件数> 2017年度の実績を例示します。
上部消化管内視鏡 | 2,480例 |
---|---|
下部消化管内視鏡 | 1,046例 |
ERCP | 121例 |
ESD | 38例 |
胃瘻造設術 | 5例 |
胃瘻交換 | 95例 |
EVL/EIS | 6例 |
胃止血術 | 5例 |
7つの研修目標
- 初療医として診察をし、適切な検査計画と治療計画を立てられる。
- 外来および病棟主治医として、継続的長期的に計画性をもって治療を行うことができる。
- 内科の基本的な治療手技を習得する。
- 消化器科の基本的な検査手技を習得する。
- 医療者として、患者さんや家族に応対する能力を身につける。また基幹病院勤務医として、地域医療施設との連携を保つ。
- 消化器科診療の主たる柱であるがん治療につき、外科、放射線科と連携を保ちつつ、初期診断から終末期医療まで系統立てて理解し実践する。
- 進歩する内科医として新しい知見の収集や新技術の適切な習得に努め、また貴重症例などを学会で発表し、論文としてまとめることができる。
研修スケジュール、到達目標
研修初期
外来、病棟、救急業務の習得。腹部超音波、経口、経鼻内視鏡の手技の習得。基礎的穿刺手技、治療手技の習得。
研修後期
治療内視鏡の習得、下部内視鏡手技の習得、エコー下治療手技の習得。がん化学療法、インターフェロン治療など専門的治療の習得。
勤務スケジュールおよび労務環境について
医療をめぐる社会情勢の変化に対応し、労務管理の重要性を痛感しています。つねにスタッフの勤務体制の見直しを図り、非合理な過重労働を排することに努めています。
よい診療をおこなうためには、適切な休暇の取得が不可欠であるという認識に立ち、計画的な休暇取得を奨励しています。
勤務は平日月曜から金曜の週5日です。土曜,日祝日は休診日です。夏季休暇は4日間、ほか入職年度に応じた年次休暇があります。
勤務時間は午前8時30分から17時までです。さまざまな勤務態様に対応すべく、時短勤務や、勤務内容を絞っての週2~4日の半常勤勤務も導入しています。
外来は週に1~2回、午前診を担当していただきます(夜間診はありません)。
院外の学会、研究会には勤務調整し、積極的な参加を推奨します(年2回学会参加補助があります)
当直勤務については月2回から3回ありますが、当直明け勤務は午後より免除すること、また当直帯の外来診療については別途手当を支給することなど、勤務医の労務環境にも十二分な配慮をしています。事情により当直勤務ができないかたも、ご相談にのります。
スケジュールの1例
外来 | 週1日平日 | 初再診外来 | |
---|---|---|---|
検査 | 週4日 | 午前 | 腹部超音波 胃内視鏡 |
午後 | 大腸内視鏡、ERCP、そのほかの治療手技 | ||
救急 | 週2コマの時間内救急当番、月2回ほどの夜間休日当直 | ||
病棟 | 主治医として5~10人程度の患者さんを担当 | ||
カンファレンス | 水曜日 | 消化器病センターカンファレンス(手術症例、内視鏡など) | |
金曜日 | 医局勉強会 |
指導スタッフ
下記のスタッフのほかに、内科として、循環器科、腎臓内科のスタッフを擁しています。
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- 篠田 弘昭(内科部長兼検査科長兼医療福祉事業部長)
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卒業年
平成5年卒
資格等
- 医学博士
- 日本内科学会認定内科医
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本内科学会指導医
- 日本消化器病学会専門医
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- 本城 裕美子(内科部長)
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卒業年
平成5年卒
資格等
- がん治療認定医
- 日本肝臓学会肝臓専門医
- 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
- 日本消化器内視鏡学会指導医
- 日本消化器病学会指導医
- 日本消化器病学会消化器病専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 総合内科専門医・指導医
施設認定
日本内科学会認定教育関連病院
日本消化器病学会専門医制度認定施設
研修終了時とその後の進路
希望により当院内科常勤医師としての入職を歓迎します。全国の大学、病院にも推薦をいたします。