歯科インプラントのメンテナンス
インプラントがダメになる理由
- インプラントの破損インプラントは金属製ですので、力のかかり具合によっては金属疲労により折れることがあります。この場合、折れたインプラントを抜いて骨が治るのを待って新しいインプラントを埋め直します。その際の費用は、5年以内の場合、無料です。
- 歯周病(インプラント周囲炎)で抜けるインプラントは天然歯よりも炎症を起こしやすく進行しやすいのです。歯周病(インプラント周囲炎)で抜けた場合は、原則患者本人の責任となります。歯周病(インプラント周囲炎)にならないように歯科衛生士による歯磨き指導やメンテナンスを受けてください。
インプラント周囲炎について
インプラントは人工の歯ですから、虫歯にはなることはありません。しかし、歯に食べ物が残っていたり歯磨きが不十分だと、プラーク(歯垢)という細菌のかたまりが付着し、インプラントの周囲の歯茎や骨に炎症を起こす可能性があります。天然歯に起こる歯周病は、インプラントでも起こり、インプラント周囲炎といいます。症状は、歯茎の腫れ、痛み、出血、歯茎が痩せるなどです。この炎症によってインプラント自体が損傷することはありませんが、治療を行わずに放置し続けていると、インプラントの周囲の骨が溶けだしてインプラントが抜け落ちることもあります。 |
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インプラントのメンテナンス
形態的にも不利な状況であるのがインプラントです。天然歯よりもインプラントの方が根元の凹みが大きいため、磨きにくいことも理解しておく必要があります。インプラント治療後において、最も重要なメンテナンスが、毎日の歯磨きです。その際も、歯科衛生士に指導された正しい方法で磨くことが大切です。そして、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助用具を使っての清掃も効果的です。 インプラント治療後、最低でも年に1~2回は、専門家によるメンテナンスを行うことが望ましいです。また、歯周病に対する危険性が高い場合は、1~2か月ごとの通院が必要になることもあります。こうしたメンテナンスの頻度については、主治医の指示に従ってください。定期的にメンテナンスを行い、患者本人による正しい歯磨きが継続すれば、インプラントは一生使用できると言われています。 |
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定期的なメンテナンスでは、以下のようなことが行われます
- 歯や歯茎の状態をチェック
歯や歯茎、粘膜の状態を確認し、汚れや炎症の有無を調べます。 - レントゲン撮影
レントゲンで、インプラント周囲の骨の状態を確認します。 - 歯のクリーニング
歯に付着したプラーク(歯垢)や歯石などの汚れを落とし、インプラント周囲炎や歯周病を防ぎます。 - ブラッシング指導
歯に汚れが多い場合は、歯磨きの仕方や生活習慣に問題がないか調査します。
問題がある場合は、歯科医師や歯科衛生士が改善のためのアドバイスをします。
インプラント周囲炎は歯周病と同様に、初期の段階では痛みなどの症状が起こりません。そのため、症状に気付きにくく、気付いた頃には重症化している場合も少なくありません。初期症状は自覚しにくいため、専門家による定期的メンテナンスは必要不可欠なのです。
※イラストは、ノーベルスマイル® より転載