三田市民病院との統合について
三田市民病院との再編・統合について、これまでの経緯をまとめています。
今後も、ホームページや広報誌などにより、丁寧でわかりやすい説明、情報提供に努めてまいります。
これまでの主な流れ
令和2年8月~令和2年12月 | 将来のあり方検討委員会を院内に設置 |
令和3年6月~令和4年3月 | 北神・三田地域の急性期医療の確保に関する検討委員会の開催 |
令和4年6月2日 | 三者合意の公表 |
令和4年10月31日、11月3日 | 北神区文化センターにおいて住民説明会を開催 |
令和5年3月31日 | 三田市民病院との統合に係る基本協定書の締結 |
将来のあり方検討委員会
結果、当院単独では将来に渡って急性期医療の提供が困難であると考え、地域医療を守るため、神戸市の協力を得ながら、三田市民病院との統合を目指すことを決定いたしました。
済生会兵庫県病院の現状と課題
1.当院の対象医療圏の状況
当院は神戸市北区に位置し、「兵庫県保健医療計画」で定められた二次医療圏のうち神戸医療圏に属している。しかしながら、病院の立地場所は市境に近く三田市および西宮市に隣接し、二次医療圏を超えた患者の流出入がある。
北神・三田地域で急性期を担う中核的病院としては、済生会兵庫県病院と三田市民病院があり、直線距離で9.4Kmと比較的近い位置関係にあり、北神の人口8万人、三田市の人口約11万人が主な対象診療圏になる。
2.人口減少と高齢化率の上昇
北神・三田地域においては、今後の総人口は減少することが見込まれているが、65歳以上の高齢者人口は、2040年まで増加し、高齢化率についてはその後も増加傾向が続く見込みである。
【図 将来人口推計】

3.将来の入院患者数の減少
将来の入院患者数を推計したところ、総人口は減少傾向であるものの、入院受療率の高い75歳以上の人口が増加することにより、急性期の入院患者は、2035年にかけて増加が見込まれる。その後は減少していくため、将来的には急性期病床の集約化が必要となる。
【図 将来の入院患者数推計】

1.当院の医師数の現状
当院の医師数については、2019年3月に基幹型臨床研修病院の指定を受け、2019年度より初期臨床研修医を受入れているが、常勤医は増減を繰り返し、思うような増員を図れていない。また、救急当直を行っている医師のうち約3割が50歳以上であるため、医師の負担が大きい。
今後、医師の働き方改革、新専門医制度を見据えると、とくに中堅・若手医師の確保が困難となる。
【図 当院の医師数の推移】

2.医師研修制度の改正と医師確保の困難性
今後、急性期医療の充実や救急医療の充実を図る上では、中堅・若手医師の継続的確保が鍵を握ることになる。
医師は、職業的自立性を持った極めて高度な専門職であり、その行動性については、若い医師はより多くの症例を経験すること、中堅以降の医師は自分のキャリア磨くことのできる大規模病院を選択する傾向にある。このことから、初期研修医を含めた医師確保には、それぞれの医師が求める技術・経験が得られる環境をいかに作るか(いわゆるマグネットホスピタル)が課題となる。
1.当院の患者数の伸び悩み
入・外患者数は、医師の増員が思うように図れないことから近年は伸び悩んでいる。なお、2020年及び2021年度の実績については、新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に減少した。
【図 当院の入院患者数の推移】

【図 当院の外来患者数の推移】

2.分娩件数の低下と周産期医療センター収支の悪化
当院の分娩件数は、北神・三田地域における出生数の低下に伴い、減少傾向であり、2020年度実績は、新型コロナウイルス感染症の影響により、前年度実績を下回っている(長期低落傾向にある)。
周産期医療センターは、患者数の減少に関わらず、24時間体制による一定の医師等の勤務体制を確保しておく必要があるため、人件費等の負担から構造的に採算がとりにくくなっており、2021年より神戸市からの財政支援を受けている。
【図 当院の分娩件数(折れ線)と北神および三田地域の出生数の推移】

3.当院の経常収支の悪化
2013年以降赤字決算を続けており、年々資金繰りも厳しくなっている。2020年は、新型コロナの入院患者を受け入れることでの手厚い補助金により黒字化したが、補助金除きでは依然として大きな赤字となる(下図の赤点線部分)。
【図 当院の収支状況】

4.長期借入金の返済負担
30年前に現在地(神戸市北区)に移転した際の病院整備費の残債が37億円あり、長期にわたる返済が経営の負担となっている。
【図 当院の長期借入金状況】

1.建物設備の老朽化・建て替えについて
当院は、1991年(平成3年)9月の病院建設から築30年が経過している。病院建物の法定耐用年数は39年であり、多くの自治体病院は、平均築40年程度で建て替えている。
現建物規模(268床)での建替えには約160億円(試算)が必要となるが、資金準備がないことや借入金残高が37億円あることを踏まえると、資金的余力がなく、当院単独での建て替えは難しい。
北神・三田地域の急性期医療の確保に関する検討委員会
神戸市・三田市が大学教授、医師会、民間病院協会などの有識者による検討委員会を立ち上げ、令和4年3月に最終報告書がとりまとめられました。
この報告書では、将来的にこの地域の急性期医療を確保するためには、済生会兵庫県病院と三田市民病院の統合が最善の方策であると結論づけられました。
詳しくは、神戸市ホームページをご確認ください。
三者合意の公表
主な合意の内容は次の通りです。
- ①新病院設置者:三田市
- ②新病院運営者:済生会兵庫県病院(指定管理方式)
- ③病床規模:400床~450床
- ④建設場所:両病院の中間地点付近(神戸市域)
- ⑤整備費・運営費の負担スキーム
- ⑥今後の想定スケジュール
当院の広報誌にわかりやすくまとめていますので、ご覧ください。
整備候補地(案)については、こちらをご覧ください。
病院統合に向けた取組に関する住民説明会
「済生会兵庫県病院と三田市民病院との統合に向けた取組についての住民説明会」を神戸市立北神区文化センターにおいて、令和4年10月30日および11月3日の2日間にわたり開催いたしました。両日あわせて376名と多くの住民の方にご参加いただき、限りある時間の中でしたが、住民の皆様と直接貴重な意見交換を行うことが出来ました。
質疑応答の時間を延長しても、全ての方のご意見を伺うことはできませんでしたので、参加者の皆様には用紙をお配りし、お帰りの際に意見箱に投函していたくようお願いしました。この中にも多くのご意見や励ましのお言葉をいただきました。
当院の広報誌にも住民説明会の模様を掲載しておりますので、ご覧ください。
開催日時 |
1回目:令和4年10月30日(日) 14:00~16:00 2回目:令和4年11月3日(木祝) 14:00~16:10 |
---|---|
開催場所 | 北神区文化センター |
参加人数 | 1回目:185名 2回目:191名 |
説明会次第 |
|
神戸市のホームページに、住民説明会当日の資料、質疑応答、ご意見箱で回収したご意見が掲載されています。
三田市民病院との統合に係る基本協定書の締結について
済生会兵庫県病院、神戸市及び三田市の三者で協議を行い、当院と三田市民病院が再編統合して新病院を整備することにより、三田・北神地域の急性期医療の充実を目指すこととし、令和4年6月2日に三者による合同記者会見で発表しました。
令和5年度以降、新統合病院整備候補地の基礎調査や新統合病院の基本計画策定業務等を進めていくにあたり、このたび、済生会兵庫県病院、神戸市、三田市、三田市民病院の四者で、昨年の合同記者会見で発表した内容等を文書の形にして基本協定書として締結しました。
※なお、基本協定の内容は別添のとおりです
(別添)三田市民病院と済生会兵庫県病院の再編統合に係る基本協定書(PDF:151KB)

令和7年度~ 設計・工事
令和10年度中 新病院開院
※用地取得などの進捗により全体工程に遅れが生じる可能性があります。
新統合病院の基本計画の策定
1.目的
三田市民病院と済生会兵庫県病院の再編統合による新統合病院の基本計画を策定するにあたり、新統合病院の医療機能、診療科目をはじめとする医療提供体制等について検討するため、三田市・三田市民病院・済生会兵庫県病院の三者において協議を行うことを目的とする。
2.実施期間
令和5年4月~令和6年3月まで
3.全体スケジュール(予定)



