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呼吸器外科

胸壁悪性腫瘍当院は「NCDの外科手術・治療情報データベース事業に参加しています」
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基本方針

2009年6月、富山の着任を機に呼吸器疾患の診療を開始し、同年11月より本格的に呼吸器外科手術を開始いたしました。呼吸器疾患であれば、外科治療の必要性に関わらず、ガイドラインに則った標準治療を提供いたします。気管支鏡検査やCTガイド下肺生検による診断から、外科手術、術前・術後化学療法、気管支動脈塞栓術による喀血に対する治療にいたるまで、肺という臓器に対するトータルな治療を、可能な限り迅速に行うことを心がけています。

主な診療内容・症例
肺癌手術症例について

原発性肺癌に関しては、胸腔鏡下肺葉切除および縦隔リンパ節郭清を標準術式としております。これは胸壁にあけた3~5cm、2cm、2cmの三つの穴を用い、モニターを見ながら肺を切除する手術(完全鏡視下肺葉切除術, complete VATS)で、従来の開胸手術に比べ、傷の痛みをはじめとする患者さんの身体への負担はずいぶん軽減されるようになりました。また、肺全摘術のような開胸が必要となる症例に関しても、従来の手術に比べると小さな10~15cm程度の皮膚切開で胸腔鏡を補助に用いる手術の実施を心がけており、低侵襲手術を可能な限り目指しております。

2012~2015年に行われた肺癌症例119例(転移性肺癌も含む)の手術時の平均年齢は73歳で、31例が80歳以上の症例でした。ほぼ全ての手術を無輸血で実施しています。

<胸腔鏡下肺葉切除の手術風景>
縦隔腫瘍について

縦隔腫瘍に関しても、可能な限り胸腔鏡を用いて切除を行っています。単純な腫瘍切除のみならず、胸腺摘出も可能であれば胸腔鏡で行っており、これによって、正中切開に比べ格段に小さい傷による手術が可能です。しかし周囲に浸潤がある場合や巨大縦隔腫瘍に関しては、従来通りの正中切開による腫瘍摘出を行っております。

感染性疾患について

当院の特色として急性膿胸に関しては早期から積極的に胸腔鏡による郭清を行っていることがあげられます。これにより、術後7-10日前後での退院が可能であり、また内科的治療に比べ機能改善も格段に期待できます。発症から早期であるほど手術難易度も低下するため、発熱を伴う胸水に関しては、準緊急手術を行っております。

気胸・のう胞性疾患

気胸・巨大ブラ・感染性のう胞や気胸の再発例に関しても、胸腔鏡を基本としております。高度な癒着が存在する症例においても、出来る限り開胸に移行することなく、胸腔鏡下での手術を心がけています。

実績
手術症例数の推移
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
全身麻酔症例数 68 79 76 75 60 73
肺癌症例数
(転移性肺癌含む)
23 35 37 30 28 24
2015年の手術の内訳

※VATS:Video-Assisted Thoracic Surgery 胸腔鏡手術

病名 症例数 術式 症例数
(内訳)
肺癌(転移性肺癌を含む) 24 VATS下肺葉切除 12
VATS下区域切除 1
VATS下補助下肺葉切除 1
VATS下肺部分切除術 10
良性肺腫瘍 6 VATS下肺部分切除 6
炎症性肺疾患 2 VATS下肺葉切除 1
VATS下区域切除 1
気胸/巨大肺嚢胞 24 VATS下肺嚢胞切除 23
開胸肺瘻閉鎖 1
外傷性血気胸 1 VATS下肺瘻閉鎖、止血術 1
急性膿胸 1 VATS下醸膿胸膜切除 1
肺真菌症 1 空洞切開、胸壁開窓術 1
縦隔腫瘍 6 VATS下縦隔腫瘍摘出術 4
腫瘍摘出術(胸骨正中切開) 2
胸壁悪性腫瘍 2 胸壁腫瘍摘出、胸壁再建術 2
胸壁良性腫瘍 1 VATS下胸壁腫瘍摘出術 1
縦隔リンパ節腫大 3 縦隔鏡下リンパ節生検 3
その他(生検など) 2 2
合計 73
手術症例の詳細

 2012年~2015年の4年間に行われた手術は305例で、その内訳は以下のとおりです。

病名 症例数 術式 症例数
(内訳)
肺癌(転移性肺癌を含む) 119 VATS下肺葉切除 62
VATS下補助下肺葉切除 7
VATS下区域切除 7
VATS下肺部分切除 40
肺全摘術 2
審査開胸術 1
肺膿瘍/炎症性肺疾患 4 VATS下肺葉切除 3
VATS下区域切除 1
良性肺腫瘍 18 VATS下肺部分切除 18
気胸/巨大肺嚢胞 77 VATS下肺嚢胞切除 74
開胸肺瘻閉鎖 3
外傷性血気胸 1 VATS下肺瘻閉鎖、止血術 1
急性膿胸 15 VATS下醸膿胸膜切除 15
縦隔腫瘍 18 VATS下縦隔腫瘍切除 15
腫瘍摘出術(胸骨正中切開) 3
アスペルギローマ 2 空洞切開、筋肉充填術 1
空洞切開、胸壁開窓術 1
胸壁悪性腫瘍 2 胸壁腫瘍摘出、胸壁再建術 2
胸壁良性腫瘍 1 VATS下胸壁腫瘍摘出術 1
縦隔リンパ節腫大 11 縦隔鏡下リンパ節生検 11
その他 37 胸膜、リンパ節生検など 37
合計 305
 
担当医師
氏名 役職 所持資格
富山 憲一 呼吸器外科部長

1995年 東北大学医学部卒
京都大学医学博士                          
日本外科学会専門医、指導医
呼吸器外科専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
インフェクションコントロールドクター

●外来は月曜日、木曜日に初診・再診を行っています。
紹介状をご持参の患者さんは、月曜日と木曜日の富山の外来を受診下さい。

 

●当科は兵庫医科大学呼吸器外科を基幹施設として、日本呼吸器外科学会の関連施設に認定されております。兵庫医科大学呼吸器外科とは密接な連携体制をとりながら手術を実施しており、若手医師の育成にも積極的に取り組んでおります。呼吸器外科志望の医師はもちろんのこと、外科専門医取得の上で必要となる、呼吸器外科症例の経験を目的とした手術参加なども大歓迎ですので、研修希望の方は遠慮なくご相談下さい。

 

●2016年より、ポートアイランドにある先端医療センターの総合腫瘍科と連携体制を取りながら、診療を行うことになりました。従来当院では治療出来なかった、放射線治療が必要な進行肺癌症例も、必要な検査を当院で行った後速やかに先端医療センター病院に入院していただき、治療が開始できるようになりました。まだ治験段階の最新の抗癌剤や分子標的薬に関しても、同病院を紹介することで提供可能となり、近年目覚ましく発展しつつある肺癌の薬物治療に関して、患者様にとって非常に大きな進展が得られました。

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