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セファゾリン耐性発熱性尿路感染症のリスク因子の検討

研究課題名セファゾリン耐性発熱性尿路感染症のリスク因子の検討:Retrospective cohort study
研究責任者社会福祉法人恩賜財団済生会兵庫県病院 小児科 医長 中西啓太
本研究の目的<背景>
尿路感染症は上部尿路と下部尿路の感染症に大別され、上部尿路感染症は腎間質への細菌感として一般に高熱を伴います。乳児期の発熱の約5%が尿路感染症であるとされ、乳児の不明熱の原因として最も頻度の高い細菌感染症です。発熱性尿路感染症を呈した小児は抗菌薬を使用し治療が行われることが多く、入院し点滴静注薬の抗菌薬を使用されることがしばしばあります。点滴静注薬の抗菌薬としては、アメリカやヨーロッパのガイドラインで示されていることもあり、第三世代セフェム抗菌薬が使われることが多いです。
 近年、抗菌薬の薬剤耐性菌が世界的に問題となっています。こういった状況下で、不必要な抗菌薬の使用機会を可能な限り減らすこと、また可能であれば広域よりもより狭域の抗菌薬を使用することが望ましいと考えられています。発熱性尿路感染症においても、第一セフェム抗菌薬であるセファゾリンが有用とする報告が散見されます。しかし、セファゾリン耐性の発熱性尿路感染症のリスク因子についてはこれまで明らかにされてきてはいません。

<目的>
本研究の目的はセファゾリン耐性発熱性尿路感染症の小児に対し、そのリスク因子をはっきりさせることです。

<意義>
セファゾリン耐性発熱性尿路感染症のリスク因子を明らかにすることで、発熱性尿路感染症に対してより安全にセファゾリンを用いて治療を開始することができると予想されます。
研究の概要(1)対象となる患者さん
発熱性尿路感染症の患者さんで、2014年4月1日から2021年3月31日までの期間中に、発熱性尿路感染症として治療を受けた方

(2)利用させて頂く情報
この研究で利用させて頂くデータは、背景情報【性別、基礎疾患の有無(あればその詳細)、予防抗菌薬の有無】、入院時や経過中の検査・評価項目【年齢、入院期間、腎超音波検査所見、血液検査所見、尿検査所見、治療の詳細】、経過中の治療や転帰【発熱期間、抗菌薬の内容、治療期間】に関する情報です。

(3)方法
各種マーカーのデータには記述統計を用います。多変量解析を行い、セファゾリン耐性菌保持のリスクファクターを抽出します。
個人情報の取扱い利用する情報からは、患者さんを特定できる個人情報は削除します。また、研究成果は学会や学術雑誌で発表されることがありますが、その際も患者さんの個人情報が公表されることはありません。
ご自身の情報が利用されることを望まない場合臨床研究は医学の進歩に欠かせない学術活動ですが、患者さんには、ご自身の診療情報等が利用されることを望まない場合、これを拒否する権利があります。その場合は、下記までご連絡ください。研究対象から除外させて頂きます。なお、研究協力を拒否された場合でも、診療上の不利益を被ることは一切ありません。
お問い合わせ先社会福祉法人 恩賜財団 済生会兵庫県病院 総務課
〒651-1302 神戸市北区藤原台中町5丁目1番1号
電話:078-987-2222(代表)
担当:小児科医長 中西啓太