放射線科
科長からのごあいさつ
基本方針
放射線科では各診療科の医師に対し、検査の有用性、必要性についてよく吟味し、患者さんに説明したうえで、検査を依頼していただくように働きかけを行っております。また、少ない被ばく線量で質の高い画像を提供できるよう細心の注意を払って機器の整備を行っています。患者さんが安心して検査を受けていただけますように、今度とも努めて参りますので、よろしくお願いいたします。
診療内容
診断目的の血管造影から治療を目的としたインターベンショナルラジオロジー(IVR)に積極的に取り組んでいます。 IVRには肝細胞がんを代表とする腫瘍に対する動脈塞栓術、喀血や消化管出血に対する動脈塞栓術、 転移性肝腫瘍に対するリザーバー留置術、IVHリザーバー留置術(在宅での点滴加療に有用です)、 閉塞性動脈硬化症や透析シャント狭窄に対する血管拡張術やステント留置術、胃静脈瘤に対するBRTO等を行っています。 なお当院では2009年よりフィルムレスとなり、診察室や各部門の端末で画像と診断結果を見ることができます。
放射線被曝について
”X線を使った診断用の検査(CTやX線写真)がガンを増やす”との論文が2004年1月31日のLancet誌363号に掲載され、これが読売新聞で取り上げられて大きな反響を呼びました。日本はCTの台数も件数も世界一なので、放射線被ばくが多くなるのはやむを得ません。しかし、被ばくの増加によってがんが本当に増えているかどうかにについては専門家の間でも議論があります。また、X線写真やCTによって早期にがんが見つかったり、その他の病気の診断が正確かつ迅速に行われたりすることによって救われる患者さんの命がたくさんあるということについて論文の中では考慮されていないことが問題点として指摘されています。
特色・メッセージ
放射線科では胸部レントゲン写真・CT・MRI・核医学検査・マンモグラフィの読影とIVR(脳・心臓を除く)を担当しています。2019年度には、汎用超音波画像診断装置Venue50 Vascular Accessが新たに導入されることとなり、CVポート留置の依頼に対し迅速に対応可能となります。
装置の特徴としては簡易・迅速・的確な診断をサポートする超音波画像診断装置で微細な設定を調整でき、どの穿刺部位においても安全な穿刺をサポートしてくれます。また、付属の穿刺ガイドキットを用いることにより、さらなる安全性を担保することができ、鎖骨下静脈穿刺時に最も注意しなければならない気胸リスクを格段に軽減することができます。
CVポートの利点は、⓵確実に容易に針を刺すことができる、⓶通常の生活においては大きな支障はない、⓷前胸部に留置している場合は薬剤投与中も両腕を自由に動かすことができる、⓸静脈炎が起こる可能性が少ない、⓹きちんと管理をすればポート感染率は低いとされ長期間使用することができる、などが挙げられます。当院では日帰りで手術を行っており、患者様の負担ができる限り少なくなるよう努めています。
患者さんへ
スタッフ一同安全に検査が行われる様に心がけておりますので、安心してお越しください。
尚、マンモグラフィ撮影は女性技師による撮影を行っています。
連携病院・開業医の先生方へ
急を要する所見が得られましたら、地域医療連携室を介し、緊密に連絡を行いながら対処したいと思いますので、どうぞよろしくご高配ください。
検査を受けられる方へ
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よくあるご質問
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当科の機器紹介
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主な対応可能疾患
当院には外照射装置がありませんのでいわゆる放射線治療は行っていません。
当院ではアンギオ装置を用いた、IVR(画像下治療)を行っています。
肝動脈・気管支動脈・子宮動脈の各塞栓術(それぞれ肝細胞がん・喀血・子宮筋腫などの治療目的)
悪性腫瘍への動注化学療法。動注ポートやCVポート留置、胃静脈瘤など門脈側副路拡張に対するB-RTO。
CT下生検・CT下膿瘍ドレナージなどが対象疾患です。
スタッフ紹介
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- 吉川 俊紀(よしかわ としき)
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役職
- 放射線科部長
- 医療福祉事業部長
資格等
- 日本医学放射線学会認定放射線診断専門医
- 日本放射線学会認定研修指導者
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- 山脇 陽子(やまわき ようこ)
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役職
- 放射線科部長
資格等
- 日本医学放射線学会認定放射線診断専門医
- 日本乳がん検診精度管理中央機構認定検診マンモグラフィ読影認定医
- 臨床研修指導医
診療実績(2021年)
各検査件数
疾患 | 手技 | 症例数 |
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肝細胞癌 | 肝動脈塞栓術 | 19件 |
子宮筋腫 | 子宮動脈塞栓術 | 0件 |
転移性肝癌 | 肝動脈動注化学療法 | 0件 |
消化管などの出血 | 動脈塞栓術 | 0件 |
静脈瘤 | B-RTO | 1件 |
CVポート造設 | CVポート造設 | 45件 |
四肢血管閉塞 | PTA シャントPTA | 0件 |
部分脾塞栓術 | PSE | 0件 |
その他 | 血管造影・ポート抜去等 | 4件 |
合計 | 69件 |
業務量の概数
日々の業務
検査 | 業務量概数 |
---|---|
一般撮影(胸部) | 1,964件 |
CT検査 | 7,685件 |
MRI検査 | 3,391件 |
RI検査 | 113件 |
胃・注腸透視 | 230件 |
血管造影 | 69件 |
合計 | 13,452件 |