診療科・部門

整形外科

整形外科では専門医4名、専攻医2名の計6名で診療を行っており、地域中核病院として機能するため、できるだけ多くの疾患に対応できるよう、努めています。
2023年4月より、小児整形と手の外科の専門医が赴任し、小児の骨折や骨系統疾患、上肢の外傷や疾患などにも対応可能となりました。

近年、超高齢化社会により変性疾患や骨粗鬆症が増加、それに伴う骨折も増加しています。
当院では、夜間や休日の高齢者の転倒による骨折を受け入れ、全身状態が落ち着いていれば早期に手術を行うことができる体制が整っています。また、他科の医師とも協力して、術前、術後のカンファレンスを行い、十分に相談したうえで治療方針を決定しています。
当院で手術を行った患者さんは、術後に機能回復、社会復帰を目指したリハビリテーションを受けることができます。
1日も早い社会復帰や、患者さんの疼痛管理など術後管理についても柔軟に対応できるよう、担当医だけでなく、看護師やリハビリ専門の理学療法士、作業療法士、言語療法士などがチームとして患者さんをサポートする体制を整えています。

主な対応疾患

整形外科の疾患の範囲は広く、交通外傷、スポーツ外傷、骨折、変性疾患、骨軟部腫瘍、小児の骨折、骨系統疾患、炎症疾患などがあり、また、部位別では脊椎、肩、肘、手、股関節、膝関節、足など多岐にわたります。
当院での治療が困難な場合は、より高度な治療が受けられるように神戸大学医学部附属病院と連携し紹介いたします。

人工関節手術

人工関節手術の良好な成績を長期にわたって維持するには条件があります。それは正確に骨切りを行い、正しい位置に人工関節を設置することです。1mm単位、1度単位の精度が必要になります。そのため、当院ではナビゲーション手術を導入しています。

ナビゲーション手術はコンピューターに登録した骨格の三次元情報を参考にして骨切りを行います。ナビゲーション手術を行うことで、きわめて正確に人工関節を設置することができ、手術成績が向上し、かつそれが長続きすることが期待されています。

手の外科

手の機能障害は日常生活に意外と大きな影響を与えます。

手の外科専門医は、手の先天異常、神経麻痺(手根管症候群・肘部管症候群・橈骨神経麻痺・骨間神経麻痺など)、手指の骨折(橈骨遠位端骨折・前腕骨折・マレット骨折・舟状骨骨折・有鉤骨鉤部骨折など)、腱損傷(切創・挫滅創)、狭窄性腱鞘炎(ばね指・強剛母指・ドケルバン病)、腫瘍(ガングリオン・腱鞘巨細胞腫)の治療を専門的に行います。

できるだけ小さな侵襲で、機能的のみならず美容的な面も含めて満足していただける治療を行います。

令和6年7月15日に日本手外科学会認定研修施設(基幹)の資格を取得しました。

小児の骨折

小児の骨折は、経験豊富な小児整形外科専門医でないと見逃されたり、適切な初期治療を受けることができず、変形や機能障害を残すことがあります。

成人の骨折治療は局所の原状回復を目的としますが、小児骨折の場合は、自家矯正能力が高いのでほとんどが手術的治療を行う必要はありません。

「歩けるから大丈夫」、「関節が動くから骨折していない」などと自己判断をせず、「触ると泣く」、「手を使わない」、「足に体重をかけられない」などの症状があれば診察を受けてください。

もしも骨折していたら、将来起こりそうな変形発生を予測したうえで適切な治療方針を決めていく必要があります。

小児四肢変形に対する変形矯正手術

変形の原因としては、骨折後に生じたもの、先天異常によるもの、骨成長の異常(骨系統疾患など)がありますが、それぞれの病態や年齢に応じて、一期的に変形を矯正したり、創外固定器を用いて漸次的に変形矯正(イリザロフ法)を行うことで対応します。

また、ペルテス病、大腿骨頭辷り症といった小児股関節疾患に対しても専門的な治療法を行うことができます。

スポーツ医学

スポーツ障害の多くは、適切な初期治療を行うことでほとんど治すことができますが、悪化するとやむを得ず手術的治療が必要となる場合があります。

スポーツ現場でケガが起こった際は、その現場での判断と対応がその後の選手生命にもかかわることもあるので、非常に重要となります。

当院には、少年野球選手の投球肘・肩障害とサッカー選手におけるスポーツ障害(捻挫や肉離れ)について豊富な経験を持ち、Jリーグ創設前からサッカーチームドクターを務め、小学生からプロ選手まで多くのサッカー選手の治療に携わった経験豊富な医師が在籍しています。判断に悩まれた時には、お気軽にご相談ください。

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スタッフ紹介

井口 哲弘
(いぐち てつひろ)
役職
参与
整形外科部長
資格等
日本整形外科学会 専門医
日本リウマチ学会 専門医
日本脊椎脊髄病学会 専門医・指導医
国際腰痛学会(ISSLS)会員
戸祭 正喜
(とまつり まさき)
役職
外科系診療部長
整形外科部長
資格等
日本整形外科学会 専門医・指導医
日本整形外科学会 認定スポーツ医
日本整形外科学会 認定運動器リハビリテーション医
日本スポーツ協会 公認スポーツドクター
日本手外科学会 手外科専門医・指導医
日本小児整形外科 認定医
日本小児整形外科学会 評議員(スポーツ委員会臨時アドバイザー)
日本肘関節学会 評議員
日本膝関節学会 評議員
日本スポーツ整形外科学会(JSOA) 代議員
中部日本整形外科・災害外科学会 評議員
近畿小児整形外科懇話会 世話人
近畿足の外科症例検討会 世話人
神戸市サッカー協会理事(医科学委員会)
ヴィッセル神戸アカデミーチームドクター
木下 恵祐
(きのした けいすけ)
役職
整形外科部長
人工関節センター長
リハビリテーション科長
資格等
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 認定リウマチ医
日本整形外科学会 認定スポーツ医
貞光 隆志
(さだみつ たかし)
役職
整形外科副部長
資格等
日本整形外科学会 専門医
東迎 高貴
(とうげい こうき)
役職
整形外科医長
田中 翔
(たなか しょう)
役職
整形外科医師
資格等
日本整形外科学会 専門医

外来担当一覧

受付時間 8:30~11:30

 
午前 木下 井口 貞光 木下 井口
東迎 田中 東迎 田中 貞光
戸祭 戸祭
午後 木下
(人工関節)
木下
(人工関節)

午後は予約されている方のみになります。

 

整形外科を受診される予定の初診の方

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診療実績(2023年)

手術実績

    件数
骨折(成人・上肢) 鎖骨 12
上腕骨 27
前腕骨(橈骨・尺骨) 64
手根骨・指 24
合計 127
骨折(成人・下肢) 骨盤 1
大腿骨近位 70
人工骨頭挿入術・股関節 76
大腿骨インプラント周囲 7
膝蓋骨 12  
下腿骨(脛骨・腓骨) 31
踵骨 6
合計 203
抜釘術 63
人工関節・人工骨頭 股関節(THA) 28
膝関節(TKA) 69
再置換術 2
抜去術 2
合計 101
脊椎 除圧術 17
固定術 6
経皮的椎間板融解術(ヘルコニア) 8
経皮的椎体形成術(BKP) 10
その他 3
合計 44
下肢(股・膝・足) 鏡視下手術 5
切断 3
神経剥離術 2
関節形成術(強剛母趾) 1
変形強制骨切り術(足根骨) 1
習慣性膝蓋骨脱臼 1
腱縫合術 3
デブリドマン(挫滅) 1
合計 17
リウマチ 3
腫瘍 2
軟部 9
その他(ガングリオンなど) 2
合計 13
    件数
上肢(肩・肘・手) 肩腱板断裂手術 1
腱鞘切開術 41
母指CM関節形成術 2
母指CM関節固定術 2
関節授動術 1
関節鏡下関節滑膜切除術(弾発肘) 1
指人工関節置換術 1
手関節形成術(SK法) 1
尺骨短縮骨切り術 1
変形矯正骨切り術 1
肘部管症候群 2
手根管症候群 11
神経剥離術(前骨間神経麻痺) 1
腱縫合術(屈筋腱) 2
腱縫合術(伸筋腱) 6
腱移行術 2
腱剥離術 2
デブリドマン(挫滅) 1
デュピュイトラン拘縮手術 1
合計 79
スポーツ 投球肘障害 3
関節軟骨損傷 1
腱・靭帯損傷 4
疲労性骨障害(中足骨など) 6
合計 14
小児 骨折 25
先天異常 2
骨髄炎・関節炎 1
腱損傷 2
骨長調整手術 1
変形矯正骨切り術 1
偽関節手術 2
その他(抜釘など)) 11
合計 45