従来は、開腹手術を必要とした悪性腫瘍も、早期のものではより負担の少ない内視鏡切除が可能となりました。
内視鏡を用いてポリープや早期悪性腫瘍を切除する方法には、ポリペクトミー・内視鏡的粘膜切除術(EMR)・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があります。(ただし病変部の大きさや深さ、がんの種類によっては、内視鏡治療が行えない場合があります)
ポリペクトミー
胃や大腸にできたポリープを内視鏡を使って切除する方法です。
対象となるポリープは、一般的に隆起型の30mm以下のものです。
内視鏡を挿入後、スネアと呼ばれる器具を使用して病変部を切り取ります。
円型の針金(スネア)で病変部の根元をつかみ、高周波電流で焼き切ります。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
平坦な病変の切除に適した方法です。
腫瘍の下に生理食塩水を注入して隆起させてからスネアをかけ、高周波電流を流して焼き切ります。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
病変の周りの粘膜を専用の電気ナイフで切開した後、病変の下にある粘膜下層を剝離していきます。
この方法の利点は、スネアを掛けることが難しい大きな病変でも、ひとまとまりとして綺麗に切除できるということです。
悪性の病変で病変の深さをしっかり評価したいときに適した方法です。