外来のご案内

そけいヘルニア専門外来

そけいヘルニアについて

ヘルニアは脱腸と呼ばれ、古くから知られてきた良性の疾患です。

加齢とともに、そけい部の(足の付け根あたり)の組織の弱くなった部分から腹膜の一部が袋状に脱出してしまい、そけい部の皮膚が膨れ上がる病気です。ちょうど、タイヤの外側のゴムが破れて内側のゴムが飛び出るイメージです。そけいヘルニアは自然治癒せず、薬では治りません。そけい部の弱くなった部分を修復する手術が必要です。年間患者数は30万~40万人程度とされ、年間16万人、約半数の方が手術を受けているとされています。

そけいヘルニアの症状

  1. そけい部に痛みや違和感、不安感を感じることがある。
  2. 立った時やお腹に力を入れた時、そけい部に柔らかいはれを触れる。
  3. そけい部のはれが、横になったり、指で押さえたりすると引っ込む。
  4. そけい部の痛みが強くなり、はれが硬くなり、指で押さえても戻らなくなる。

④の場合は嵌頓(カントン)と言って緊急手術が必要です。嵌頓した場合、腸や大腸(胃の前の脂肪の膜)、女性であれば卵巣などがはまり込んでしまい、それらの臓器の合併切除を要する場合もあるので、そうなる前に弱くなった部分を修復する手術が必要となります。

そけいヘルニアの種類

  1. 外そけいヘルニア
    鼠経靱帯の上で、外側から出るヘルニア(そけいヘルニアでは一番多いヘルニア)
  2. 内そけいヘルニア
    鼠経靱帯の上で、内側がら出るヘルニア
  3. 大腿(だいたい)ヘルニア
    鼠経靱帯の下からでるヘルニア

そけいヘルニアの手術方法は?

当院では、腹腔鏡下手術とそけい法(前方アプローチ)との両方を行っています。2013年から腹腔鏡下手術を導入し、現在は約90%の症例で腹腔鏡下手術を行っています。

1. 腹腔鏡下手術

お腹に数ミリ大の穴をあけ、カメラを用いてお腹の中からヘルニアの穴を修復します。全身麻酔での手術となりますが、眠っている間に手術は終わり、傷が小さいため痛みも軽減できます。

2. そけい部切開手術(前方アプローチ手術)

下腹部に5㎝程度の皮膚切開で行います。従来から行われている手術方法で、患者さんの状態によっては局所麻酔での手術も行います。

入院期間について

  • 入院期間は5日間(手術前日に入院、手術後3日目に退院)を基本としています。
  • 患者さんの状態やご希望に応じて短縮、延長することは可能です。

そけいヘルニア専門外来の受診方法

毎週金曜日 13:30~15:00
※紹介状をお持ちの方を対象としています。
※そけいヘルニア専門外来の受診には事前のご予約が必要です。

紹介状をお持ちでない方も、月曜日から金曜日の午前外科外来で診察可能です。お気軽に受診してください。