診療科・部門

内視鏡検査について

内視鏡室では、胃内視鏡・大腸内視鏡等の検査をおこなっております。
また、早期胃癌や大腸ポリープの内視鏡切除、胆膵内視鏡(ERCP)など、治療内視鏡も幅広く手がけています。

胃内視鏡検査とは

「胃内視鏡検査」は、一般的には、「胃カメラ」と呼ばれます。先端にCCDのついたスコープを口または鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸の状態を観察、診断する検査です。胃潰瘍や胃炎といった良性疾患の診断だけではなく、胃透視ではわかりにくい早期の悪性疾患の発見にも有用です。
あやしい部分があれば組織を採取(生検)したり、切除(内視鏡手術)することもできます。

胃内視鏡検査の有効性

胃がんは、男性の9人に1人、女性の18人に1人が罹患するといわれています。
胃がんは早期に見つかれば95%以上が治癒するといわれている治療成績の良いがんでもあります。
早期の段階では自覚症状が出にくいので、早期発見・早期治療のためには、胃内視鏡検査が不可欠です。とくに、胃がんの高リスク群である、ピロリ菌感染の既往があるかたや慢性胃炎といわれたことがあるかたは、年に1回の定期的な内視鏡検査をおすすめします。

麻酔と鎮静について

胃内視鏡検査時には、通常、麻酔薬を含んだゼリーやスプレーを使って、咽頭の違和感を緩和するための「咽頭麻酔」をします。さらに、苦痛を感じにくくするために、鎮静剤や鎮痛剤を注射して意識を朦朧とした状態にする「鎮静」をすることがあります。「鎮静」をすることで、嘔気反射が少なくなったり、腹部の違和感が緩和されたりします。
しかし、鎮静剤には嘔気やふらつき、めまい感などの副作用もあり、車の運転ができないなどの制限もあります。鎮静剤の使用には、よいことばかりではなく、デメリットもありますので、年齢などを考えて、その人にあった麻酔、鎮静を工夫することが大切です。

胃カメラは、鼻から?口から?

鎮静をしなくてももっと楽にうけられる胃カメラとして、最近開発されたのがいわゆる鼻からの胃カメラ(経鼻内視鏡)です。
口からの胃カメラとのちがいはまずその太さです。細いぶん、咽頭への刺激も少なくなっています。挿入経路のちがいから、舌根部を刺激しにくいので、嘔吐反射を起こしにくいとも言われています。
欠点は、鼻の痛みや、ときに鼻出血がみられること、若干検査時間が長くなることです。しかし、鎮静剤などを使用しないので検査後の運転の制限などがなく、検査中に医師と患者さまがお話をすることもできます。「口からの胃カメラで苦労した」というかたは一度鼻からの胃カメラを考えてみてはいかがでしょうか。

胃内視鏡を受ける準備(前日~検査前まで)

  • 胃内視鏡検査を受けるためには、胃の中を空にしておく必要があります。
  • 検査前日の夕食は、午後9時までにとり、それ以降の食事は控えてください。
  • 飲水には制限はありません。当日の服装は身体を締め付けるものは避けてください。
  • 常用薬がある方は、一部中止して頂く場合がありますので、担当医とご相談下さい。

胃内視鏡検査(当日の手順)

経口内視鏡・・・口からの胃カメラ

  • 前処置室で消泡剤を飲みます。次に、のどの麻酔を3-5分間のどに溜めたのち、吐きだします。
  • 検査室に移動したら、検査台の上でのどの麻酔を追加し、左側を下にして横向きに寝ます。鎮静をする場合には緊張を和らげる薬(鎮静剤など)を注射します。
  • マウスピースを装着されましたら、内視鏡が口より挿入され、検査が始まります。
  • 肩・首・のどの力を抜いてください。唾液は呑み込まずに口から外に出してください。げっぷはなるべく我慢してください。(目をあけてしっかりモニターを見ていると不安が少なくなり、嘔吐反射もおきにくくなります。)

経鼻内視鏡・・・鼻からの胃カメラ

  • 前処置室で、消泡剤を飲みます。鼻の通過をよくする薬を点鼻します。
  • 検査室に移動したら、ベルトを緩め検査台の上で、鼻の中に、麻酔薬をスプレーします。
  • 麻酔薬をしっかり飲み込み、左側を下にして横向きに寝ます。
  • 内視鏡が鼻から挿入され、検査が始まります。
  • 肩・首・のどの力を抜いてください。げっぷはなるべく我慢してください。
    (目をあけてしっかりモニターを見ていると不安が少なくなり、嘔吐反射もおきにくくなります。)

検査後の注意事項

鎮静剤の注射をして検査をした場合、検査後の車の運転は禁止です。どなたかの付き添い、お迎えの手配が必要です。
飲食は、通常検査終了1時間後から、咽頭麻酔が切れたことを確認してからとってください。
また、内視鏡治療を受けられた方は、激しい運動や飲酒を避けるなどの注意事項があります。

大腸内視鏡検査とは

大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を挿入し、大腸を観察する検査です。大腸に発生したポリープやがん、腸炎などを診断します。
組織の一部をとって調べたり(生検)、大腸ポリープや早期大腸がんを内視鏡的に切除することもできます。

大腸がん検診を受けましょう

大腸がんは著しく増加傾向にあります。
一生のうち男性のおよそ12人に1人、女性のおよそ15人に1人が大腸がんと診断されるといわれています。
早期の大腸がんには自覚症状がほとんどありません。大腸がんと診断された患者さんの実に4割は、自覚症状がなかったという調査結果があります。
大腸がん検診で便潜血陽性を指摘された場合には、大腸内視鏡検査をぜひおすすめします。

前処置について

検査直前に点滴をします。
血圧を測定し、呼吸管理の為、指先にモニターをつけたまま検査を行います。
疼痛が強い場合には鎮痛剤を使用することもあります。

大腸内視鏡検査を受ける準備(前日~検査前まで)

大腸の内視鏡検査を行うには、大腸の中を空にしなければなりません。
前日の昼食までは、制限はありませんが、夕食は消化のよい食事で午後8時までに済ませて下さい。
飲み物は、自由にお飲み頂けますが、牛乳・乳飲料・果実入りジュース等は、お避け下さい。
また、下剤をお渡ししますので、検査の予約の際にお渡しする説明書に従って前日の夜に内服して下さい。
常用薬がある方は、一部中止して頂く場合がありますので、担当医とご相談下さい。

大腸内視鏡検査 当日の手順

順番がきたら指定された場所で検査着に着替えます。
検査室へ移動したら、検査台の上で横になります。検査直前に右手に点滴をします。
検査がはじまると、途中で体の向きを変えたり、お腹が圧迫されることがあります。
検査中に病変が疑われた時には、組織を一部採取(生検)したり、ポリープを内視鏡的に切除する場合もあります。大きなポリープを切除した場合、2~3日の入院を要する場合があります。

検査後の注意事項

鎮痛剤を使った場合には、検査後の車の運転は禁止します。お迎えの手配が必要です。
飲食は、通常検査当日の夕食より摂取できます。(消化の良い食事をして下さい。)
内視鏡治療を受けられた場合には、激しい運動や飲酒を避けるなどの注意事項があります。