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首下がり訓練プログラムのご紹介

近年、首下がり症に悩んでいる人が増えている一方で、首下がりの原因はよくわかっておらず、また、「どこでリハビリをしてくれるのか?」「どんなリハビリができるのか?」といった情報が少ないのが現状です。

当院では首下がり症のリハビリをしてきた実績を活かし、原因不明の特発性(全体の約70%)による首下がり症でお困りの患者さん向けに、手術ではなく、リハビリテーションを主体とした治療を行っています。
※特発性以外のリハビリテーションについては、ご希望により考慮します。

首下がりの原因はよくわかっておらず、その治療はまだまだ試行錯誤の段階です。どのような首下がりの人にどのようなリハビリテーションをするのがベストか一日でも早く明らかにしたいという思いで治療にあたっています。
首下がり症でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

首下がり症について

首下がり症とは

首下がり症候群は、高齢者に多い病気です。
首の骨(頚椎)が前に弯曲し、首が垂れてしまい前をむけなくなくなってしまう疾患で、顎が胸についてしまう “chin on chest” という状態になってしまうため、前を見て歩くことがつらくなります。

その原因としては、パーキンソン病や筋委縮性側索硬化症、ミオパチー、重症筋無力症、甲状腺機能低下症など、筋力低下をきたす疾患が原因となっていることもありますが、原因不明の特発性も多く、加齢により首の後ろの筋力が低下してくることで発症するとも言われています。

首下がり訓練プログラム

4週間の入院による訓練プログラムを行います。
1日2回(午前と午後)、理学療法士によるリハビリテーションを行い、その他の時間で自主訓練を行っていただきます。

訓練プログラムの目的

  1. 体幹筋力強化による姿勢改善
  2. 頚部・肩甲帯筋力強化による前方視獲得
  3. ストレッチによる姿勢,柔軟性改善
  4. すべてのトレーニングによる歩行・歩容改善

トレーニング内容

1. 筋力トレーニング

頚部筋トレーニング…首周りの筋肉を鍛えることで、頭を持ち上げて全体を見やすくします。
          (首まわりの筋力トレーニング)

  • 頚部伸展運動
  • 等尺性側屈・回旋運動
  • 肩甲帯トレーニング

体幹筋トレーニング…首下がりは、背骨の筋肉が弱くなっても発症します。
          首周りだけでなく体幹筋を強化するトレーニングが大事です。

  • プランク
  • ヒップリフト
  • ドローイン
  • 立位骨盤回旋運動

2.ストレッチ

腰曲がりは首下がりを悪化させます。腰や背中全体のストレッチによって、体の柔軟性をとり戻します。

頚部リラクセーション

  • 頚部伸展運動 
  • 等尺性側屈・回旋運動 
  • 肩甲帯トレーニング

体幹筋ストレッチ

  • 背筋
  • 腸腰筋
  • 大殿筋 

リハビリテーション効果評価

1.レントゲン評価

体をどれだけ起こすことができるかどうかレントゲンで客観的に判定します。

  • 四つ這いでの最大後屈位を撮影
  • 腹臥位での最大後屈(自由位、顎引き位)を撮影

2.トレーニング評価

頚部や体幹の筋力を評価する機器や評価判定票を使いトレーニングの効果を判定します。

  • 可動域 
  • 筋力 
  • 痛み 
  • 歩行速度 
  • 矢状面アライメント

3.機能評価

今まで首下がりのため、痛みが強かったり、人の目を気にしていたのが、どの程度回復しているかを評価します。

  • JOACMEQ   
  • SF-12