お知らせ

三田市民病院との統合に向けた合意について

新型コロナウイルス感染症は未だ落ち着く気配はありませんが、多数の方より応援メッセージやご寄付をいただき、皆様からの温かいお心遣いに感謝を申し上げます。

さて、6月2日に、三田市民病院との統合に向け、関係者間で合意に達した旨を発表させていただきました。
ここで、改めて、これまでの経緯を含めて一連の動きをお知らせします。

1 将来のあり方検討委員会を院内に設置(令和2年8月~12月)

人口減少、少子高齢化の進展、医師の継続的な確保への懸念、築30年を経過した現病院の建て替えなどさまざまな課題について整理し、将来の方向性を院内でとりまとめました。
結果は、ご承知のとおり、不本意ではありますが、当院単独では将来にわたって急性期医療の提供が困難であることから、神戸市にも働きかけ、三田市民病院との統合を目指すことを決めました。

2 「北神・三田地域の急性期医療の確保に関する検討委員会」の開催(令和3年6月~令和4年3月)


こうした当院の実情を受け、行政の動きがありまして、昨年6月に神戸市・三田市が大学教授、医師会、民間病院協会などの有識者による検討委員会を立ち上げ、今年3月に最終報告書がとりまとめられました。その報告書では、将来的にこの地域の急性期医療を確保するためには、済生会兵庫県病院と三田市民病院の統合が最善の方策であると結論づけられたところです。

3 三者合意の公表(令和4年6月2日)

この有識者検討委員会からの答申を受け、両病院を取り巻く環境の変化を十分に踏まえつつ、北神・三田地域の急性期医療を将来にわたりいかに確保していくかという観点から、済生会・三田市・神戸市の三者で慎重に協議を重ねてきた結果、三田市民病院との統合を図り、新病院を建設して、当該地域の急性期医療の充実を目指すことで合意し、6月2日に公表したところです(当該記事はコチラをクリックしてください)

主な合意の内容は次のとおりです。

  1. 新病院設置者:三田市
  2. 新病院運営者:済生会兵庫県病院(指定管理方式)
  3. 病床規模:400床~450床
  4. 建設場所:両病院の中間地点付近(神戸市域)
  5. 今後の想定スケジュール

このままでは北神・三田地域で急性期医療の核がなくなってしまうという危機感から、この度、三者が合意し、急性期医療を将来にわたり確保する大きな方向性ができたことは、本当に感慨深いものがあります。

統合して新病院ができると、スケールメリットが生まれます。若い医師も増え、当直もしやすくなりますし、救急患者を受け入れやすくなります。また、スタッフの働く環境が良くなれば、今まで以上に研究する余裕もできて医療レベルも上がり、一刻を争う、周産期医療、心筋梗塞、脳卒中など、救える命が救える、より高度で多機能な、文字どおりの基幹病院に生まれ変わります。患者の皆様、地域住民の皆様にとってもメリットが大きいと考えます。

まだスタートラインについたばかりですが、三者で協力し合い、当事者の一人として責任を持って前に進めてまいりたいと考えています。

なお、「直ちに病院がなくなってしまう、医療機能が縮小されるのでは」と不安に思われる患者様・ご家族の方がおられるかもしれませんが、新病院が完成するまでには相当な年数がかかりますので、その間は、これまでどおり、身近な病院として当院を利用していただきますようお願い申し上げます。

職員一同、地域に信頼される病院を目指して、全力で質の高い医療の提供に取り組んで参りますので、一層のご支援をよろしくお願いします。
 

令和4年6月3日
済生会兵庫県病院長 左右田 裕生