- 手術が施行された患者における肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
- 手術が施行された患者における肺血栓塞栓症の院内発生率
- 手術難易度分類別の患者割合
- 出血性胃・十二指腸潰瘍に対する内視鏡的治療(止血術)の施行率
- 大腸がん手術 術後在院日数が延びた患者の割合
- 腹腔鏡下大腸がん手術 術後在院日数が延びた患者の割合
- 乳がん(ステージⅠ)の患者に対する乳房温存手術の施行率
- Ⅰ期原発性肺がん手術例における胸腔鏡下手術の実施率
手術が施行された患者における肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
肺血栓塞栓症は、主に下肢の深部静脈にできた血栓(深部静脈血栓症)が血流によって運ばれ、肺動脈に閉塞を起こしてしまう重篤な病態です。手術後の安静臥位がそのリスクになると考えられており、これを予防するため適切な対策を行う必要があります。本指標は、「肺血栓塞栓症/ 深部静脈血栓症予防ガイドライン」に基づいて弾性ストッキングの着用、間歇的空気圧迫装置の利用、抗凝固薬などの薬物的予防等が行われた肺血栓塞栓症の予防の実施状況を示唆するものです。

手術が施行された患者における肺血栓塞栓症の院内発生率
肺血栓塞栓症は、主に下肢の深部静脈にできた血栓(深部静脈血栓症)が血流によって運ばれ、肺動脈に閉塞を起こしてしまう重篤な病態です。手術後の安静臥位がそのリスクになると考えられており、これを予防するため適切な対策を行う必要があります。本指標は、術後の肺血栓塞栓症の発生状況を示唆するものです。

手術難易度分類別の患者割合
各施設の機能を評価するにあたって、診断群ごとに実施している手術難易度の構成は重要な観点の1つです。外科系学会社会保険委員会連合は手術難易度を5段階で定めています。本指標は、各施設が実施している診断群ごとの手術の技術的な難易度の構成を示唆するものです。

(MDC=02)眼科系疾患

(MDC=03)耳鼻咽喉科系疾患

(MDC=04)呼吸器系疾患

(MDC=05)循環器系疾患

(MDC=06)消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患

(MDC=07)筋骨格系疾患

(MDC=08)皮膚・皮下組織系疾患

(MDC=09)乳房の疾患

(MDC=11)腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患

(MDC=12)女性生殖器系及び産褥期疾患・異常妊娠分娩

(MDC=13)血液・造血器・免疫臓器の疾患

(MDC=16)外傷・熱傷・中毒

(MDC=18)その他

出血性胃・十二指腸潰瘍に対する内視鏡的治療(止血術)の施行率
出血性消化性潰瘍に対する内視鏡治療は消化性潰瘍診療ガイドラインにおいて推奨するとされているため、個別の症例が適応例であるかどうかにかかわらず、診療プロセスを評価するうえで、施設全体の施行率は重要な指標の一つとなり得ます。本指標は、胃・十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血術の施行状況を示唆するものです。

大腸がん手術 術後在院日数が延びた患者の割合
追加の化学療法がない場合、多くの患者は大腸がん切除後通常2週間以内に退院します。術後19日以上入院している場合、術後の栄養改善の不良や新たな合併症などが生じている可能性があります。本指標では、手術症例の管理状況を間接的に評価する指標としてこの数値を用いています。ただし、高齢者やもともと糖尿病や慢性腎不全などを持っていた患者では、入院日数が長くなる傾向があります。

腹腔鏡下大腸がん手術 術後在院日数が延びた患者の割合
追加の化学療法がない場合、多くの患者は腹腔鏡下大腸がん切除後通常1週間以内に退院します。術後15日以上入院している場合、術後の栄養改善の不良や新たな合併症などが生じている可能性があります。本指標では、手術症例の管理状況を間接的に評価する指標としてこの数値を用いています。ただし、高齢者やもともと糖尿病や慢性腎不全などを持っていた患者では、入院日数が長くなる傾向があります。

乳がんの患者に対する乳房温存手術の施行率
乳がんのステージⅠとは腫瘤の大きさが2cm以下でリンパ節への転移がない病期です。この病期での治療法として、再発率、美容面及び生活の質の視点から、多くの場合は乳房温存療法が可能です。術後には、放射線療法と必要に応じて薬物療法を行います。

Ⅰ期原発性肺がん手術における胸腔鏡下手術の実施率
「原発性肺がん」とは、他の臓器からの転移による肺がんを除いた、肺から始まったがんのことです。進行度は多くはⅠ期からⅣ期に分類されます。この数字が大きくなるにつれ転移等で病期が進行した状態になります。Ⅰ期はがんが原発巣にとどまっている状態です。胸腔鏡下手術では、胸腔鏡という細いカメラを胸腔内に入れてモニター上の映像を見ながら手術を行います。従来の開胸手術のように、大きく切開したり肋骨をとることをしないので、傷が小さく、また痛みも少なく、そのため入院期間も開胸手術に比べて短くなります。本指標は、がんに対する治療の総合力を見る指標の一つです。
